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2024年8月31日 : そば前とは?
¨上級庶民¨の文化「そば前」


江戸時代、店舗を構える蕎麦屋は、大店の旦那衆など上級庶民が羽織を着て通うちょっと洒落た店でした。


この上級庶民は、戦国の世で破れ去った側の武士がその祖(秀吉側)。


茶の湯などを嗜んでいた教養高き侍たちが徳川時代に花開く「粋で鯔背な江戸文化」を生み出したと言われています。


「先ずそば前に一っぱい致そう。のめる肴2、3種類頼む」江戸時代中期の滑稽本「評判龍美野子」(ひょうばんたつのみやこ)に初めて「そば前」という言葉が登場します。


現在では、蕎麦前=肴という認識をされますが、本来は蕎麦の前に酒を飲むことを意味します。


当時、蕎麦屋は営業中に蕎麦を打つので、蕎麦が出てくるまでに時間がかかりました。その時にせっかちな江戸っ子の気をなだめたのが酒です。
人気だったのが、上等な「下り酒」※関西(上方)から江戸に下ってくる酒


木樽に詰めて遠路はるばるやってきた酒は、杉の香りが立ち、江戸っ子の心をくすぐり上等とされました。
現在老舗と呼ばれる蕎麦屋に灘の酒が置かれ樽酒を出す店もあり、なんでいまさら、、と思いますが往時の名残です。


酒のつまみとなるのは、蕎麦屋の種物(おかめの具や天ぷら)、かえししょうゆや蕎麦つゆを使って手間をかけずにつくれるものが基本とされました。


上等な「下り酒」は高価!だけど、肴はあるものを上手にアレンジ、財布があまり痛まない庶民の贅沢として、蕎麦前は定着しました。


「そば前」にはこういった文化的な背景があります。蕎麦屋に来たら、そば前文化もをぜひお楽しみください。

文 半田蕎里 鈴木健悟











2024年8月29日 : 手打ちと機械打ちの違いとは
手打と機械打ちの違いとは~製麺の技術と製粉の技術~


手打と機械打ちって結果どう違うの?と聞かれ答えられる人はかなりの通だと思います。本職の蕎麦屋さんでも、はっきりと違いを言えない人もいますが、少しだけまとめたいと思います。

「機械打ち」

麺の製麺上の違いとしては、ロールで圧迫して延していくので硬質な麺になります、表面はツルっとしていて見た目からの違いでも分かる人は分かると思います。
かなり圧迫されるので茹でる際に水分が入りづらく、通常のゆで時間より2~3倍かかります。また、麺を延していく方向も同じなので、手打ちとは異なる麺の食感になります。


機械打ちの利点は生産性の違いで、手打ちに比べて機械打ちのほうが数倍量を打てるのは確かです。しかも休みなく打てるし不満も言わない、店によってはバイトやパートさんが製麺しているところもあり人一人雇うよりも効率が言いと言われる方もいます。その分値段を下げて、量を出してお腹を満たしてもらう店が多いですね。


「手打ち」

打ち手の技術にもよりますが、規格通りの蕎麦にはならず「水の回し方、延し方、切り方」で様々な種類の蕎麦が打てます。あそこの蕎麦は違うと言われる店ほど、前述の各工程において独自のやり方を持っていて、それが機械打ちとの違いを生んでいます。生産性の限りがあるため、高価になりやすいです。


蕎里は、手打ちのみならず製粉も自前でやる専門店ですので、さらに混みいった作業をしていますので製麺以外の製粉の技術が必要になります。その作業次第で全く別の蕎麦が出来上がります。


結局どちらがいいの?という話をされたりしますが


野球で「150kmのボールを打ってみたい」と思った時に
それをピッチャーに投げてもらうか、ピッチングマシーンに投げてもらうかの違いと似ているかもしれません。
どちらに価値を感じるかは人それぞれですし、目的に応じた使いかたをすればいいのではと思います。


手打蕎麦屋さんと機械打ちの蕎麦屋さんの蕎麦を食べ比べてもらうと面白いかもしれませんね。

文 半田蕎里 鈴木健悟



2024年7月1日 : 夏の蕎麦前には、、
半田 蕎里では期間限定の日本酒を置いています。

仙禽 かぶとむし  

日本酒好きなら誰もが知っている仙禽の夏の人気商品「かぶとむし」果物をかじってあふれ出したようなジューシーな酸味。「大人のレモンスカッシュ」をこの機会にどうぞ


楽器正宗 純醸

人気急上昇中により入手困難になってきている楽器正宗、高級感のある味わいは稀に見る完成度を誇ります。一度味わうとその虜になってしまう人多数!!
独特な「ガス感」を保ちつつ、アル添とは一線を画す香りと味わいをお楽しみください。

みむろ杉 Dio Abita

酒屋さんが選ぶ日本酒大賞にも選ばれた「みむろ杉」フレッシュな香りとラムネのような吟醸香、ジューシーで果実感のある甘さと旨み、きれいな酸で収斂されていく後味は感動すら覚えます。

~「Dio Abita」は神宿るという意味です~

夏の夕涼みに、美味しい一品と日本酒、お蕎麦でごゆっくりお過ごしください。

文 半田 蕎里 鈴木健悟


2024年6月21日 : 6月のみそか蕎麦は
毎月月末に晦日蕎麦を提供いたします。
提供するお蕎麦は、二八蕎麦と合わせ双挽き蕎麦の二種類です。

合わせ双挽き蕎麦は二種類の挽きかたを変えた蕎麦粉を食感が出るように配合して打った蕎麦です。太打ちの蕎麦ですので、噛みしめて蕎麦の香りと味をお楽しみいただきます。


今回の双挽きは福井の丸岡在来です。

福井県は在来種(その地域固有の蕎麦)王国。
丸岡は織物の町としても有名ですが、趣味で蕎麦を打つ人の多い町です。蕎麦の話をすると止まらない人や、家に蕎麦を打つ小屋を作ったなんて人もざらにいます。


そんな蕎麦好きが愛した丸岡在来を十割の太打ちにします。
ぜひ、この機会にご賞味ください。

文 半田蕎里 鈴木健悟



2024年6月9日 : 夏打つ蕎麦にご用心
蕎麦を打ったことがあったり興味のある方は必ず一度はこんな話を聞いたり学んだりします。

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夏場は蕎麦が劣化して蕎麦がなかなか繋がらなくなった、そこで小麦粉をつなぎとして入れると繋がりと食感が良くなって製麺しやすくなった。

ところがつながるとばかりに小麦粉を多く入れる蕎麦屋も出て来て6:4や5:5、3:7!?(蕎麦粉:小麦粉といった蕎麦を出す店もあった。

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この話を知っている方は、夏場に繋がらないとちょっと小麦粉を増やして、、とやってしまいますが、江戸時代と現代の違いを考えないといけません。


まず現代では、こだわりのあるお蕎麦やさんほど温度管理にはうるさいです。劣化しない温度帯を維持して玄蕎麦を管理しています(熟成等の話は別として)


蕎里で扱う玄蕎麦は製粉所で低温で管理していただいています、必要な分を玄蕎麦で取り寄せ冷房が効いた部屋で管理し必要な分を脱皮し製粉して劣化をできるだけ防ぐようにしています。


ただ小麦粉はそうはいかず、いいものを取り寄せて低温で管理していても自家製粉する以外は劣化は避けられません。


つまり現代では夏場に繋がらなかったら単純に小麦粉をいれればいいという訳ではないということです。いい蕎麦粉を仕入れても、夏場に低温で管理されていない小麦粉を増やした結果、、、余計に蕎麦が不味くなる。よくある話です。


蕎麦を愛して自分で打ってしまうモノ好きな蕎麦打ちの皆様、夏場に諸刃の剣となる「小麦粉」にご用心ください。

文 半田蕎里 鈴木健悟




半田店へのお問い合わせはこちら
053-431-5110

営業時間 11:00~15:00(L.O.14:30)
     17:00~20:30(L.O.20:00)
定休日 火曜日


入野店へのお問い合わせはこちら
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