昭和の時代を忘れぬよう

昭和の時代を忘れぬよう

先日、英国王室では国王就任の戴冠式が華やかに行われた。
英国内では、祝賀一色ともいかず、さまざまな意見があるような報道だった。
振り返って我が国では皇室に対してどうだろうか。

おおむね日本人は、総じてというか、天皇陛下を中心とした皇室に好意的
といえよう。それはもう、日本人の中のDNAとでもいうべきかというくらい
理屈抜きの感覚かもしれない。
かくいう私も、(政治的背景はまったくないが)
我が国天皇家は、権威を振りかざすでもなく、さぞご不自由な御身であろうに
そんなことはおくびにも出すことなく、国民の安寧をひたすら祈りつつお過ごし
のことは敬意を持たずにはいられない。
特に、半藤一利氏の昭和史を読んでからは、日本国における天皇家の存在が
格別なもののように感じられるようになった。

昭和に生まれ、昭和に育った我が身としては、昭和天皇の歴史の中での苦悩や
決断、平和や国民を想うおこころに感銘を受けるしかないと思えてしまう。
太平洋戦争開戦、終戦、復興、高度成長、バブル、バブル崩壊前夜と昭和の激動
は筆舌に尽くしがたい歴史であった。

半藤一利氏曰く、「天皇陛下はひたすら平和を希求した」と。

ところで、(ここから少々我田引水ぎみになるのだが)昭和天皇が
「そばが大好物」であったことはご存じだろうか。
昭和天皇の料理番、谷部金次郎氏の著書「昭和天皇と鰻茶漬」によれば、
「天皇は、酒は一切口にせず、お芋やかぼちゃの他、魚はさんま、いわし、
あじがお好きでした。そばは特に好物であったが、残念ながら月に一回、
晦日そばとして食べることができただけ。その折には必ずお代わりをした」
と嬉しそうに書いている。

天皇陛下でも、お好きな時にお好きなだけそばを食べられなかったのですね。
そこへ行くと私たちは、なんて幸せ。

今、この時代、周りを見渡せば物・物・物に囲まれ、
テレビを点ければ、どこやらのタレントが大きな口をあけて、
噛みもしないうちから「うま~い!」なんて。
季節はずれの高級食材を珍重したり外国から取り寄せた高級酒を当てっこしたり。

日本人は季節の旬を大切にし、ありきたりな食材を出汁や調理法で工夫したり、
知恵と工夫で長寿日本料理を創り上げてきたのに。
子供たちの味覚が西洋かぶれしていくんじゃないかと、とても心配。

昭和天皇を見習って日本人の食の原点をもう一度、いや毎年一度は原点を思い
出すような機会を持ちたいものであると考える今日この頃である。

文 牧野友保

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2023年5月18日

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